今回は、鍼灸の鍼(はり)をご紹介しようと思います。
どんな仕事もそうですけど、一般の人には知りえない部分って結構ありますよね。
そのお仕事に従事している人にとっては当たり前のことでも、一般の人からしたら「へぇー、そうなんだ!」って思うこととか。
特に車の整備士の人や、建築関係の仕事、そういった「資格」や「専門的な勉強期間」が必要なお仕事は謎の部分がかなりあります。
仕事道具の話とか。
様々なお仕事の体験ができる「キッザニア」が人気なのは知らないお仕事に対する好奇心があるからでしょう。
まぁ、「鍼灸」のはりがそこまで好奇心をそそるかは分かりませんが(笑)
先日、患者さんに「鍼灸のはりってどんな感じなんですか?」と質問されまして、作りなど解説させていただきました。
せっかくなんで、今回の記事でもご紹介します。
患者さんの身体にダイレクトに働きかけるアイテムなのでぜひ参考にしてみてください。
鍼灸は痛くないのか?
鍼灸治療は昔からあるものですが、それでもまだ治療を受けたことが無い方の方が数が多いです。年代や地域による差もありそうです。
鍼灸治療未体験の方が懸念するのはズバリ「鍼灸治療って痛くないの?」ということではないでしょうか?
鍼灸治療は痛いのか、痛くないのかに関しては下記の記事を参考にしてみてください。
鍼灸師が使う「痛くさせない技術」や、注射針との違いなどを解説しています。
鍼灸治療で使う「鍼」(はり)をご紹介します
ではここから鍼灸で使う鍼(はり)の様子をご紹介します。
最近は美容分野で活用されているので実際に目のあたりにする機会が増えたかもしれませんが、それでもまじまじ見ることは少ないかと。
伝わり切るか分からないのですが、ぜひご覧ください。
鍼灸の製造・代表的な会社「セイリン」
鍼灸治療で使用する道具を製造する代表的な会社が、静岡・浜松にある「セイリン」という会社で、技術者たちがいくつもの工程を経て精巧に作られた鍼(はり)を出荷しています。
製造の過程を見学することができ、私も専門学校時代に見学したことがあるのですが、とても興味深いです。
人の身体に刺入するものでデリケートなアイテムですから、それだけにとても繊細に作られているのが良く分かります。
私は、「下町ロケット」というドラマが好きなのですが、ご存知の方も多いかもしれませんが技術力がテーマにある物語です。
少し余談になりますが、ドラマ1作目シリーズの第3話でこんなシーンがあります。
国産ロケットの完全内製化を目指す帝国重工と、部品供給を望む佃製作所。
帝国重工の財前は、町工場の技術力に疑問を持っていました。
そんな財前に対し、佃製作所の佃は「工場を見学してみませんか?」と工場内を案内します。
工場内で財前が見たものは、想像を超えた技術力だったのでした。
大企業の帝国重工より、技術力で勝っている…。
佃製作所の品質、プライドに心打たれた財前は、佃製作所の部品供給を実現しようと動くのでした。
とこれと同じく、鍼灸の鍼(はり)は技術力の結晶だといえます。
今思えばですけど、下町ロケットのテーマがとても似合う場所だったなと(笑)
パッケージはこんな感じ
鍼灸治療の道具は、資格を有していないと購入できません。
購入は主にネットからになります。
ブランドや鍼(はり)の種類によりますがパッケージはこんな感じ。
治療院にはこのパーッケージがあり使う分だけ中から出します。
私は訪問型なので、使用するであろう分を取り出し訪問先で使用します。
鍼(はり)はこのようになっています
では実際の鍼(はり)の外見をご紹介します。
鍼(はり)そのものはカバーに入っており、治療の際に取り出します。
後述しますが、鍼(はり)は全て使い捨てなので出張訪問から帰ってきたときは結構なカバーの量になっています(笑)
色によって長さを見分けることができる
これも鍼(はり)の種類によって違いますが、手で持つ部分に色がついており、長さを識別できようになっているんです。
上の写真に映っているのは薄い青と赤色ですが、薄い青は比較的長めの鍼(はり)で、赤色は短めの鍼(はり)です。
インスタグラムなどでモデルさんや芸能人の「美容鍼灸」の写真を見ることができますが、色を見ると「緑色」だと思います。
さきほど紹介した「セイリン」で製造されている美容用の鍼で、一番細い鍼(はり)なんです。
豆知識として覚えておくと面白いかもしれません。
とても精巧につくられた「鍼」(はり)の部分
実際に人体に刺す部分は実に精巧につくられており、刺入する際に痛みを感じないような構造になっています。
細さは実に髪の毛ほどで、よく誤解される「注射針」とも違いますし「ミシン針」とも違います。写真ではよく見えないくらい細いですよ。
ちなみにまた余談ですが、先ほどから意識して鍼(はり)という感じを用いて使用しています。
漢字では「鍼灸」と書き表されます。
個人的な意見かもしれないのですが「針」って凄い痛いイメージがあるんですよね。
「針灸」でも伝わることは伝わるのですが、なんとなく注射やミシンを連想しがちかと…。
鍼管(しんかん)のはたらき
ところで、鍼(はり)の周りに透明な管のようなものがあります。
この謎の管は、何なのか?
これは鍼管(しんかん)という名前で、鍼(はり)を刺入する際に役に立つアイテムです。
鍼(はり)の種類は様々あると先ほど少しお話させていただきましたが、刺入する方法も複数種類があります。
鍼管(しんかん)を使用せず刺入する方法もあり、専門学生の時最初に教わる方法でもあります。
ただこの方法は「痛い」です。熟練度による部分があるとはいえこの方法を使用する人は今は少なく、鍼管(しんかん)を使用することが普通になっています。
要するに、この鍼管(しんかん)を使用すると痛くなく刺入することができるんです。
かなり助かるアイテムです。
鍼は使い捨て
治療で使用した鍼は全て使い捨てになっています。
昔は治療した鍼を滅菌して使用する方法もあったそうですが、正直怖いですわ…。
私が治療で使用する鍼は一回使ったら捨てます。もったいない気がしなくもないですが患者さんの安全が第一です。
安全に治療を受けていただくことができます。
少しでも伝わったでしょうか?
今回は仕事道具の紹介ということで鍼灸治療の鍼(はり)について解説させていただきました。
少しでも伝わりましたか?
鍼(はり)と聞くと、なんか痛そう…怖そう…というイメージがあるかもしれません。
ですが実際はとても精巧につくられており、安全に治療を受けていただけることがお分かりいただけたでしょうか?
施術者の技術もそうですが、痛くない鍼(はり)を製造する高い技術力は欠かすことができません。技術は嘘をつきません(佃)
実際に目にしていただけるとさらに分かりやすく伝わるかなと思います。
治療の際にお気軽にご質問くださいね!
コメント