施術によって腰の痛みや肩の痛みが改善し、日常生活を送れるようになるわけですが。
改善する様子についての言い表し方は、利用者(患者さん)によってさまざまです。
「痛みが取れる」は剥がれ落ちるイメージ?
よく聞くのが「取れる」という表し方です。
もちろん私もたびたび言っているなと。「痛みが取れます」「痛みが取れました」とか。
取れるということは、イメージとして「痛みがこびりついていた」に近いニュアンスではないでしょうか。
腰や肩に「痛み」なるものがこびりついていて、それが施術によって剥がれ落ちるイメージです。
「痛み」を「汚れ」に置き換える
これ、「洗濯」というメタファーで考えると分かりやすいかもしれません。
痛みを「汚れ」や「シミ」に置き換えて。服についた汚れを洗濯板でゴシゴシ擦り汚れを落とすということです。
そして、マッサージや整体などの痛みの取り方って、ゴシゴシ擦って落とすに近いものがあると思います。
もちろん擦り方の違いはあるにせよ、基本的には外からの圧で痛みを取り除こうとするので。
鍼灸は「痛みが薄まる」に近い
では翻って、鍼灸の場合はどうでしょうか。
鍼やお灸でゴシゴシなんてやったら、とても施術になりません(笑)なかには激しい施術もあるかもしれませんが、私はやりたくない。
鍼灸はもっとピンポイントに、身体の内部から働きかけて痛みを改善します。さきほどの「洗濯」のメタファーでいうと、「シミ抜き」に近い。
したがって痛みが取れるというよりも、「薄まる」がより適切ではないかと思っています。
施術翌日に痛みが薄くなり、軽く押しても大丈夫。そして生活を送っているうちに気がついたら痛みが消えている。
ぜひ鍼灸施術を受けたあとは、痛みの「濃さ」がどうなったかを確認してみて頂きたいです。
「身体で嗜むもの」だからこそ
と、まぁどうでも良い話を綴ってみました(笑)
とはいえ、施術によって現れた変化に対して、より適切な言葉をつけるのは大切です。
痛みが改善する様子は人それぞれ。施術方法によっても異なるでしょう。それを大雑把に「楽になった」「取れた」と表現するのはなんだか勿体ない気がします。
高級で繊細な料理を、一緒くたに「美味しい」「やばい」と言ってしまうのと同じ。
鍼灸や整体は身体の悩み・苦痛を解決するために行いますが、同時に「嗜むもの」という一面も持ちます。なおさら効果を適切に表した言葉が大事だと思います。
ではまた!
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