団体スポーツでは「2on1」といって、1人の選手に対して2人の選手が相対するという構図が重視されます。
また格闘技でも、相手の1本の腕を左右(2本)の腕で取りに行く技術があります。
(このように取れば体格差、パワー差があっても戦えるわけです)
今日は、こういった考えに近いお話をしたいと思います。
鍼灸治療に関する話ですが、ストレッチやセルフケアなどにも関係してくるでしょう。
ぜひ参考にして下さい!
「1つの痛みに対して1つのツボを選ぶ」という決まりは存在しない
言わずもがな、治療や施術の目的は「痛みや不調を改善すること」です。
そして治療の際、「治療ポイントを1つに決めなければいけない」というルールは存在しません。
例えば鍼灸治療では、症状の様子に合わせて使用する「ツボ」を選択するわけですが、1つに絞り込まなくても良いわけです。
もちろん使うツボが少ないほうが短時間で済み、刺激量も少なくて済みますが。
実際のところ、ツボを1つから2つに増やしてもそこまで時間に差はありません。
何が言いたいかというと「2つのツボを組み合わせで考えると、施術の選択肢が増える」ということです。
1つのツボでは改善しきれない痛みもある
ツボの中には、ある症状に対して著効を発揮する「特効穴」なるものが存在します。
そういったツボに鍼を打ったりお灸を据えば、痛みが即改善することもあるでしょう。
ただし、患者さんの体調や症状にも左右されるのが事実。
痛みが強かったり慢性化したりしていれば、1つのツボだけでは改善しきれない場合もあります。
こういった場合に、ツボの組み合わせで考えると効果的です。
【例】肩こりの治療には「肘+アバラ骨」の組み合わせ
例えば、肩こりを治療する場合。
症状の様子や動き方にもよりますが、「肘のツボ」と「アバラ骨付近にあるツボ」を狙って刺激することが効果的だと判断できます。
肘のツボは「腕全体を緩める効果」を狙って、アバラ骨のツボは「体幹部を緩める効果」を狙っています。
肩を構成する要素を分けて考え、2箇所から刺激する。
それぞれのツボの効果というより、2つのツボを合わせることでの相乗効果を狙います。
ツボを組み合わせるメリットの一つは、「効果が長続きしやすい」ということです。
2箇所から鍼やお灸で刺激することで身体中の循環が活発になり、結果的に根本的な改善につながり、効果が長続きしやすい。
また「筋肉の連動」を考えて刺激するということなので、治療効果そのものも高くなるでしょう。
きっと患者さんに喜んでもらえるような治療になるはず。
セルフケアも組み合わせで考えてみよう
鍼灸治療だけでなく、自宅で行うセルフケアも組み合わせで考えてみましょう。
もし「腰痛」を軽くしたい場合、腰そのものをストレッチする、フォームローラーでゴロゴロやるだけでは、すぐ元に戻ってしまう可能性が高いです。
腰の位置や構成する要素を考え、足首と肩甲骨のストレッチを重点的に行うべきです。
繰り返しになりますが、一つの痛みに対して治療ポイントを一つに絞り込む必要はありません。
ご自身でケアする際も「◯◯なら△△」とパターンで考えすぎず、もう少し広く俯瞰してみましょう。
多少時間はかかるかもしれませんが、より痛みがスッキリ取れるはずです!
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