今回は鍼灸について書きます。
患者さんにもよく質問されることなので、治療を受ける際の参考になるかと思います。
ぜひ最後までお読みください。
鍼灸治療の効果はいつ現れるの?
最初に結論から言うと、鍼灸治療の効果は少し後に現れます。
タイムラグがあるということです。
治療を受けた直後の感覚は人によって違いますが「不思議な感じ」とおっしゃる方が多いです。言葉にできないんですよね。
痛みが少なくなっているのは確実だけど、なんか、とにかく不思議(笑)
後述しますが、鍼灸が単に筋肉に鍼を刺しているからではないのが理由です。
一番効果が表れやすいのは翌朝
では一番効果が出やすいのはいつか?
患者さんに話を聞いていて、最も多いのが「一晩空けた翌朝」です。
これも治療をした時間帯によってばらつきがあって、午前中に治療を行ったら早い方でしたら夕方くらいから本格的な効き目が表れる場合もあります。
一晩睡眠をとって、朝を迎えたころに痛みや辛さが軽くなっている。
このようにタイムラグがある理由は1つ。
睡眠中に身体がリセットされるからです。
睡眠中に代謝が促され、リセットされる
睡眠中に一番代謝が進むということは有名なので、既にご存知かもしれません。
だから、睡眠不足の人は身体を壊すし、太るのです。

睡眠中に促されるのは代謝だけでなく、ホルモンや筋肉疲労の修復も活動時より進みます。
活動中は活動にエネルギー注ぎたいじゃないですか。
だから身体が寝静まった夜に体内課(?)の作業は進むのです。
「鍼灸は身体の反応を促すもの」だから遅れて出る
鍼灸は外からの力で痛みをどうこうするものではなく、身体の反応を利用し血流を増大させ神経をリラックスさせ、ホルモン分泌を促します。
身体が寝静まった夜間に身体の修復作業が進むとさきほどお話しましたが、鍼灸の効果もこのときに一番出るのです。
もし鍼灸が、マッサージのように外からアプローチするのなら、治療直後に効き目のピークが来るはず。
そうはならず、鍼灸のピークは遅れてやってくる。
病院で処方される薬を飲んだときより、遅れて効果が出てくる感じです。
ダイエットのカロリー計算に似てるかも
ダイエットをイメージすると分かりやすいです。
ダイエットにおいて一番重要なウェイトを占めるのは「食事」です。
何を食べたかでどんな身体になるか決まるのですが、カロリー制限した効果は翌日には現れません。
カロリーが身体に反映されるのは3日ほど後だと言われています。
それは身体に入った食物が吸収されるからで、吸収されたのちマイナスだったら痩せますし、余分だったら太ります。
少し話が脱線しかけましたが、タイムラグがある点では鍼灸と似ています。
効果はどういった様子で現れる?
では効果はどういった形で現れることが多いのか?
これも患者さんに聞き、多かった答えをご紹介します。
身体が軽い
身体が軽いとおっしゃる方は、腰痛の治療をした方に多いです。
翌朝起きると腰の痛みが軽くなってるのはもちろん、身体全体が軽やかに生まれ変わってる!(生まれ変わりではないですが 笑)
身体が軽いので素早く布団から出れる、とおっしゃる方もいます。
こんな素晴らしい朝はないですね。
痛みを忘れている
もう一つ多いのが、「痛みを忘れている」という出方です。
朝、身支度しながら、「何か昨日と違うなぁ」と考えるけど思い出せない。
仕事が始まったくらいで思い出す「そういえば、痛みが消えてる!」と。
昨日まで痛みがあんなに気になっていたのに、今日は忘れていた。
人間は苦しみや痛みは、なった時しか強く意識しません。
消えたら忘れるようにできているようです。
憑き物が取れたような
さきほどの「軽くなった」と共通する部分はありますが、肩こり治療をした方に多いのが「まるで憑き物が取れたかのようにすっと肩が軽くなった」という言葉です。
憑き物が付いた経験は、残念ながら私は無いのですが、肩こりはそれくらい悩みの種になり、それが取れた時は解放されたような気持ちよさがあるのです。
急性腰痛(ぎっくり腰)は直後から効きます
ここまで、肩こりや腰痛の治療は遅れて効果が出てくるとお話しました。
ただ同じ腰の痛みでも「急性腰痛(ぎっくり腰)」は治療直後から効きます。
急性腰痛は痛みも重いので、認識しやすいという部分もあるでしょう。
痛みの認識だけでなく「歩ける」「しゃがめる」「起きれる」こういった日常動作に欠かせない動きは、治療直後から回復します。
もちろん治療前は全く動けなかったので、治療直後は恐る恐るですが、しっかり動くことが可能。
そして一晩空けて翌日には全快になってることが多いです。
ぎっくり腰に対応するため、私自身が技術を工夫している部分はもちろんありますが、鍼灸のポテンシャルの高さが大きいです。
治療後はしっかり休んでください
治療を受けられましたら、しっかり休むことを心がけてください。
身体を休める意味もありますが、ここまでご紹介したように休むことで治療効果を高めることもできます。
お昼寝でも良いのでしっかり体を休め、寝不足にならないようにしましょう。
寝不足になってしまうと、残念ながら治りも悪いです。
水をしっかり飲みましょう
もう一つ心がけていただきたいのは、しっかり水を飲むということです。
水を飲むことによって、血流をより促進させることができるので鍼灸の効果を一層引き出すことができます。
また代謝も進むので、内臓の状態が良くなり効果倍増なので、水を飲んでください。
痛みを根本から改善できる鍼灸
今回は鍼灸の治療効果にタイムラグがある理由を解説しました。
文中でも触れたように、身体の反応を利用するのが鍼灸です。
身体の働きに併せて効果が出ることがお分かりいただけたでしょうか?
腰痛や肩こりなどの痛みを根本から治せると言われているのはこういった点からです。
鍼灸治療を受ける際の参考にしてみてくださいね。
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